運送会社に勤めていた私の、ある意味きつい体験。

私は長年運送会社に勤めていて、今まで使っていたトラックが廃車になったので、運送会社はこれから乗るトラックはこれを使えと僕に言ってきました。

そのトラックは中古車で他の営業所から手に入れたトラックらしく、何故か側面に怖い猫のシールが貼られていました。まあよそのドライバーが貼ったんだし、まあいいかと思いました。

見た目は時間帯が夜間でしたので、猫の目がとても怖かったです。そのシールは蛍光反射材が貼ってあり、夜に黄色く光ります。正に本物の猫のようです。僕は怖いと思いながらも、それに乗って日々仕事をしていました。

しばらくしてトラックに不具合が出ました。横の扉がうまく開閉できません。扉に猫のシールが貼ってあります。僕はこれはただの経年劣化によるものだと自分を納得させました。
すると今度はエンジンが急にかからない症状がおこりました。修理業者に依頼を頼んで修理しても、もう2回同じ故障が起こりました。

そして配送していて道路を走行中、猫が飛び出してきました。通常ならトラックをかわし走り抜けていったのですが、クラクションを鳴らしたら猫がトラックに戻ってきました。結果、轢き殺してしまったのです。

更にはスリップ事故、バック事故と何回かこのトラックで事故をおこしました。僕の運転の未熟さもあるとおもいますが、その時の心理状況はこれは猫の呪いだと錯覚し、非常に怯えていました。猫のシールを再び見ると、昔より視線が鋭いような気がしていました。

数々の事故・故障と共にそのトラックは廃車になりました。ご冥福をお祈り申し上げますという思いを胸に、今では過去の事を教訓にして、日々安全運転に心がけています。