霊感が強い一族のしきたり。【霊感エピソード】

私の母方の家は、昔から霊感の強い子が生まれていました。祖父は霊感がなかったそうですが、祖父の母はとても強い霊感があり、そうした不思議な話を祖父から聞くことも少なくありませんでした。私は親戚の中で一番強い霊感があり、子供の頃から、霊力の低い母を心配させる逸話がちらほらとありました。家系図をたどれば、寺に嫁に出すこともおおく、たくさんの寺と縁戚関係があり、そういう家系なのは、霊力のない親戚も認めるほどでした。

ある日、大学を卒業した私は、なぜか、祖母と二人暮らしをさせられました。母と叔父の間で、どんな話し合いがあったのか、知りませんが、私の意思はそこに介入することなく、半ば強制的にそうなったのです。当時、就職活動はしていたものの、就職する気もなく、家で小遣い稼ぎをしていた私は、親のすねかじりだったので、生活のパイプラインを奪うと脅されると、意思を主張できなかったのです。

祖母は後妻で、私とは血のつながりがありません。しかも、その時には、祖父はなくなり、祖母が一人で家にいました。他人で苦手なその人と、暮らすのか、と気が重い毎日でした。しかし、母の生家で暮らすようになると、祖母のことは気にならなくなりました。というのも、掃除をしている時に、屋根裏から、先祖が書きのこした書物を見つけ、それを、読み漁るのが楽しかったのです。そうして、一カ月を過ごし、いつもの生活にもどりました。

結局、就職はすることなく、フリーターで毎日をすごし、親のすねを齧り5年たった頃、声をかけてきたのは、今の旦那でした。お互い知らなかった事ですが、旦那は県外にいる母方の遠い親戚で、私は母の旧姓に私はなったのです。今の当主は、母の弟ですが、娘が一人いるだけで、その子も結婚して家を出てしまい、私が本家の家と墓を継ぐことに決定しています。我が家には、その時代の中で霊感が一番強い子が、なぜか、本家の家に住み、本家の墓守をするようになるという不思議があったのです。

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