【虫の知らせ体験】おもちゃが勝手に鳴ったのは、祖母からのメッセージだった

私の祖母は去年の夏に95歳で亡くなりました。海外に住んでいる私は看取ることもお葬式に参加することもできませんでしたが、祖母の魂を感じるできごとがありました。

私の祖母は70代まで産婆として働いていました。病院に住み込んで働いていたためなかなか会えませんでしたが、いつも優しく仕事にプライドを持っている祖母は私のあこがれでした。いつかは私の赤ちゃんを取り上げてもらいたいと思っていましたが、加齢で働けなくなりその夢は叶いませんでした。

祖母は90歳を過ぎた頃からほとんど寝たきりになり老人ホームに入りました。その頃私は国際結婚をしてフランスに出発する前で、彼女の部屋を訪ねたときには弱った姿に胸が痛みました。

3年後、1歳になった息子を連れて日本に一時帰国し祖母に会いに行きました。祖母の衰弱は進み私の顔も忘れてしまったようでしたが、息子を見せると笑顔になり横になったまま頭をなでてくれました。

育児のアドバイスなど聞きたいことはたくさんあったのですが、ひ孫を見せることができて安心しました。もしかしたらこれで最後になるかもしれないと思いながら部屋を後にし、フランスへ戻りました。

そして去年の8月の終わりのことです。いつものように息子を寝かせ、自分も寝室に向かうと息子の部屋から声が聞こえました。普段は朝までぐっすり眠る子供なのでおかしいなと思って彼の部屋をのぞくと彼はスヤスヤ寝ていました。空耳かと彼の部屋のドアを閉めようとすると、おもちゃの車が突然鳴り出しました。心霊話は苦手ですが、不思議と怖くありませんでした。なぜか祖母が息子に会いに来たのだという確信がありました。

次の日、日本にいる母に電話をすると祖母が亡くなったことを聞かされました。亡くなる前の半年間はほとんど植物状態だったそうです。体から開放され、最後に息子を見に来てくれたと思うと温かい気持ちになりました。